TamaCona Engineering

ETロボコン、ソフトウェアエンジニアリングの話題など。

中学生からの手紙

今年からETロボコン実行委員になり、人前でプレゼンする機会がすごく増えました。まだまだしゃべりが上手な方とはいえず、ベテラン実行委員の方の巧みなトークとか、ろくろの回し方に感心しっぱなしの毎日です。まあ、こういうのは経験も必要だと思いますので、あせらず地道に頑張っていきたいと思います。

ところで、今でこそ偉そうに人前で喋ったりしてますが、自分が初めて本格的な講演をやったのっていつだったかな?と思い返してみました。確か、10年ぐらい前にとある中学校で「社会人のお話を聞いてみよう!」みたいな講演会に呼ばれたのが最初だったと思います。

ちょっとしたきっかけで教育委員会の方と知り合いになり、「市内の中学校で『職場調べ』という活動があるんですが、ぜひIT業界の方のお話を子供たちに聞かせてやってください!」とお願いされました。これまでそういう経験が全然なかったので大丈夫かなとも思いましたが、まあ中学生相手だし、なんとかなるかなと思って引き受けることにしました。

当日の会場は中学校の体育館。他にも何人か社会人の方が来られていました。なるほど、色々な業種の方がお話しされるようです。ちょっと緊張しながら他の人のお話を聞きながら待っていると、自分の番がやってきました。

自分のお題は「コンピュータのシステムができるまで」という内容だったと思います。まあ、お客様の要求を聞いて、設計して、プログラミングして、テストして・・・という、業界の人にとってはごく一般的な話です。

難しげな話だけでも面白くないかなと思ったので、最後に

「この仕事はプログラムを作るだけじゃなくて、人とお話しすることが多いから、
色々な人に自分の気持ちを伝えたり、人の気持ちがわかるような人にならないと
いけないよ」

というメッセージを付け加えたような気がします。

専門的な言葉はできるだけ使わないようにしたつもりだったのですが、退屈そうにムズムズしてる子もいたりして、どこまでわかってもらえたかな?という感じでその日は会場を後にしました。

びっくりしたのはその数日後、なんと中学生3人から手紙が届いたのです!まあ、先生に言われて書くことになったのでしょうが。

特に印象的だったのは次の手紙でした。

「ぼくは、ゲームのプログラマーになりたいです。
なので、得にぼくが一生けんめい話をきいたのはあなたでした。
これからたくさん勉強してがんばっていきたいと思います」

という内容でした(「特に」を「得に」と間違えちゃってますね(笑))

いや~、これは感動的でした。他にも色々な職業の方がお話しされた中で、自分が一番だと言われちゃったわけですから。自分の話が初めて会った子の心にこんなに響くなんてことも思ってなかったですし。

それまでは特に何も考えずに日々の仕事をこなしていたのですが、この手紙をもらってから考えが少し変わりました。

  • 自分の仕事に憧れている子がいるんだから、誇りを持ってこの仕事に取り組まないといけない。
  • この子達が将来この業界に入ってきたときガッカリしないように、少しでもこの業界を良くしないといけない。
  • 若い人に自分たちの経験や技術を伝えていかないといけない。

と思うようになりました。

きっと、ETロボコンの魅力にとりつかれたのも、こうした思いを実践できそうな場だったからだと思います。この手紙が、いまの自分の考え方や行動の原点になっているような気がします。

ちなみにこの子たち、順調に4年生大学を卒業すれば、今年から新社会人としてどこかの会社に入社しているはずです。はたして自分の目標とする仕事に就くことはできたでしょうか?まだまだこの業界を良くすることはできてないかもしれませんが・・・。

もしかすると、どこかで会うことがないかな~と密かに楽しみにしています。