TamaCona Engineering

ETロボコン、ソフトウェアエンジニアリングの話題など。

会話量とコミュニケーション

今日、お風呂に入っているとすごーく昔に見たテレビ番組のことをふと思い出しました。
(なぜか風呂に入っていると、色んな事を思いついたり思い出したりするのです・・・)

どこの病院だか大学の先生だったか忘れたのですが、出演しているタレントさんに、
つぎのようなクイズを出していました。

Q. あなたは病院の診察室にいます。医療ミスの少ない病院は次のうちどっち?
 1. 医師と看護師、看護師どおしが頻繁に連絡を取り合っており、会話の多い病院。
 2. 会話が少なく、スタッフが黙々と作業をしている病院。

当時の私は「そりゃ1.の会話が多い方がコミュニケーションがとれて、情報もよく伝わるからミスも少なくなるのでは?」と思いました。出演してるタレントさんも同じような回答だったと思います。

でも、解説の先生の回答は「2.会話が少ない病院の方がミスが少ないです」というものでした。
理由は以下のようなものでした。

診察室は患者さんに接する、いわば本番。
本番で会話が多いということは「事前に決められていなかったことが起きた」とか「元々どのように行動すべきかスタッフ間の意思統一ができていなかった」ことの裏返し。
会話だとその場その場の判断になってしまうので、判断ミスも起きやすいし、作業にも集中できないのでミスも増える。
逆に事前にやることをきちんと決めておき、スタッフの意思統一も意識できていれば、わざわざ会話する必要はない。その場でやるべきことに集中できるので、ミスも減らせる。

といった感じの内容だったと思います。

これって、ETロボコンとか、システム開発の時にもあてはまるんじゃないかな、と思います。

ETロボコンだと、

Q. あなたはETロボコンの試走会会場にいます。上位に行くのはどちらのチーム?
 1. 選手どおしが頻繁に連絡を取り合っており、会話の多いチーム。
 2. 会話が少なく、選手が黙々とプログラム入れ替えや試走をしているチーム。

なんとなく、1.のチームの方が活気があって良さそうにも思えますが、もし会話の内容が「おい、ここの設定どうするんだっけ?」とか「次はどの難所の調整するんだっけ?」「ここ直したら動かなくなったんだけどなんでだっけ?」「え〜、どうだったかな〜」「それは○○に聞かないとわからないな〜」みたいな会話だったりするとどうでしょうか?
強いチームというのは「何番目にどの難所を走らせる」「このパラメタはこうやって調整」「もしこういうことがおきたらこうする」といったことを事前に取り決めておき、本番ではそのルールに沿って動いてるんじゃないかなと想像しています。だから短い試走時間を効果的に使えるし、実際に成果にも結びつくのでしょう。

システム開発だったら、

Q. あなたはとあるシステムの最終テスト工程に立ち会っています。安定したシステムをリリースできるのはどちらのプロジェクトだと思いますか?
 1. 設計者や開発者やテスターどおしが頻繁に連絡を取り合っており、会話の多いプロジェクト。
 2. 会話が少なく、テスターが黙々とテストを実施しているプロジェクト。

まあ、これは想像つきますよね。
きっと、1.のプロジェクトは「おい、またバグ出たんだけど!」「プログラム入れ替えたら動かなくなったぞ!」「ここの仕様どうなってるんだっけ?俺はこう言ったはずだぞ」「え、そんなの仕様書に書いてないですけど?」みたいな感じでしょうか(恐ろしや恐ろしや・・・)

本当の意味でのコミュニケーションとは、単純に「会話量が多い」とか「メンバどおしの仲が良い」とか「一緒にいる時間が長い」というものではないと思います。

単純に「会話が足りないから会議をすればよい」「メールを禁止して直接話せば良い」「離れてるからダメなんだ!直接会えばよい」では解決しないような気がします(状況によっては効果的なので否定はしませんが)

「相手に如何に正しく状況や目的を伝え、それを共有するか」こそがコミュニケーションではないかと思います。
きっと、それらの伝達や共有は、周りからは分からない「秘密の時間」の「秘密の場所」で「秘密の方法」で行われているのかもしれないですね。