ひとり出張の思い出(1)
もうすぐ4月。私のところにもお花見の案内がやってきましたが、4月といえば新入社員が入ってくる時期でもありますね。
前回のエントリ「私とアジャイルとの出会い」は、私が初めてプロジェクトリーダーになった頃からの話でしたが、今度は桜の季節にちなんで(?)、私が新入社員だった頃のお話を書いてみたいと思います。
入社当時、私はテストエンジニアをしていました。
プログラムを開発する立場ではなく、他部門の開発したプログラムの品質評価を行う仕事です。私の配属された部署ではハードウェアのドライバやユーティリティソフトの品質評価を行っていました。
配属されてようやく1年ぐらい経ったときでしょうか。その頃は新型ハードウェアの出荷を目前に控え、評価作業も大詰めを迎えていました。かなり忙しい状態になっていたと思います。
そんなある日の昼下がり、当時のリーダーに呼び出されました。
「すまんが、明日から出張に行ってくれないか?
ハードウェア製造元との合同テストがあるから、テスト要員として行って欲しい」
え、いきなり明日から?これまで出張になんて行ったことないんだけど・・・、でもきっと誰か一緒に行ってくれるだろうから大丈夫かな、と思っていたら次のリーダーの一言が。
「ひとりでテストできるよね?」
え、え、一人ですかぁ〜@_@
当時の私は文系出身で、コンピュータの知識など殆どない状態での入社でした。なので会社に入ってからも周りについていくのがやっとで、1年経ってようやく慣れてきたかな、という感じでした。でも、何かトラブルがあったら先輩社員に助けてもらわないと何もできない・・・という状態だったのです。
そんな私が、いきなり一人で出張に行く事になったのです。
さすがに不安になりました。
とはいえ、せっかく与えられたチャンス。ここで断るわけにもいきません。
「わ、わかりました。頑張ります」
と答えるのが精一杯でした。
リーダーは続けます。
「それじゃ頼む。さっそくテストのための準備を始めて欲しい。
テストに必要なデータやツールを集めて使い方を確認しておいてくれ。
詳しいことは○○君が知っているから」
どんなテストをするのか、それからあわてて調べ始めました。
これまで、わからないことがあったら先輩に助けてもらえばいいや、と甘えた気持ちでいたこともあって、いざ一人でやろうとするとわからないことの連続です。おかげでデータ集めやテストの手順確認には一苦労。その日はえらい夜遅くまでかかって準備したことを覚えています。
そんなことがありながらも、なんとか準備を済ませて翌日の新幹線でハード製造元の工場に到着しました。新幹線の中だけは「お~、なんか俺ってビジネスマンって感じ~」とちょっとだけ気分良かったような気がします(←今考えるとわけがわかりませんが)
到着したら、さっそく現地のリーダーの方に挨拶に行きました。
その方は関西弁バリバリの方で、
「お〜、よう来たな、これからよろしゅう頼むで!」
と気さくに出迎えてくれました。
部屋のあちこちに色々な機材があちこちに置いていたり、声が大きいというか威勢のいい方が多かったりと、ソフトウェア部門とは結構雰囲気違うなあ、と思ったのが第一印象でした。
さっそく作業に入る事になりました。
「すみません、まずはテスト用のツールをセットアップしたいのでパソコン使わせてもらえますか?」
とお願いし、テストツールのセットアップを始めたのですが、ここで試練が襲ってきたのです。
「あ、あれ?ツールが動かない・・・」
〜つづく〜