TamaCona Engineering

ETロボコン、ソフトウェアエンジニアリングの話題など。

ひとり出張の思い出(2)

前回のエントリ「ひとり出張の思い出(1)」、
まだ新米だった頃の私が、突然一人での出張を命じられたときのお話です。

動かないツール

現地に着き、テストツールのセットアップを始めたものの、

あ、あれ、ツールが動かない・・・

なぜかエラーになってしまい動きません。前日手順を確認し、ちゃんと動いていたはずなのに・・・

このツールはテストのためには絶対必要で、動かない状態ではまったくテストができません。

ものすごい焦りが私を襲います。

「ツールのセットアップに少しだけ時間をください」と言って、現地の方には待ってもらっている状態です。
時間は刻々と経過していきますが、事態は一向に変わりません。

設定を見直すも、全く悪いところは見つかりません。
こういう時って、本当に時間の流れが早く感じられます。

現地のリーダーの方も「どないしたん?時間かかるんかいな?」と気にしはじめた様子。
私も「は、はい、いまちょっとトラブってるんですが、すぐに直します!」というのが精一杯でした。

もうダメかもしれない・・

これ以上時間をロスしたら、実施できないテスト項目がでてくるかもしれない・・・
このままではいけない・・・

動かない原因

もう、なりふり構ってはいられません。
会社の先輩に電話して助けを求めることにしました。

私「あの〜、ツールが動かないんです。昨日はちゃんと動いてたはずなんですが・・・」
先輩「そうなの?エラーログは見た?」
私「あ、そういえば見てなかったです。ええっと・・・あれ?このメッセージって何ですか?」
先輩「どんなメッセージ?・・・ああ、原因はきっとそれだよ」

結局、エラーの原因はディスクの容量不足でした。
現地のシステムのディスク空き容量が少なかったため、容量が一杯になりエラーを起こしていたようです。

いま考えると、なんと初歩的なミス!と思いますが、前日手順を確認しうまくいったので大丈夫に違いないと思い込んでいたんでしょうね。当日緊張していたこともあってエラーログの確認が遅れたのも情けないです。ソフトウェアを導入するときには環境の違いに留意しないといけない、というのをこのとき学びました。

ハード担当者とソフト担当者

そんなこんなで、なんとかツールのセットアップは完了し、テスト作業に入ります。

テストでは、現地のリーダーからハードウェアのテスト担当として、私と同じぐらいの年代の方を紹介されました。
「はじめまして。今日はよろしくお願いします」
これまでいたのは年上の人ばかりだったので、ちょっと安心したのを覚えています。

今回、ここまで出張に来たのは「ハードウェアがトラブったときのリカバリをソフトがきちんとできるか」を確認するためのものでした。

ハードにトラブルがあっても、そのハードが扱うデータが壊れたり抜けたりすることはあってはなりません。その制御はドライバーソフト側で行っているので、それがきちんとできているかどうかの確認です。

かねがね、私は「ハードウェアのテストってどうやってやるんだろう。トラブルを意図的に起こすのってどうやってやるのかな」と興味を持っていました。
ハード担当の方は「それはこうやるんですよ」と手順を見せてくれました。「へえ〜、初めて知りました。すごいですね!」
一方、私の方もソフト側のテストノウハウを紹介しました。当時の私の知識の範囲では大したことは説明できなかったのですが、「再現性のないトラブルが起きたときに備えて常にトレースを採取する設定にしてるんです」「へえ、ソフトの方はそこまでやるんですか。さすが本格的ですね!」と感心してもらえたときは嬉しかったです。

ハードとソフトという、違う物を作っている立場でも、互いに相手をリスペクトすることができることを知りました。
よく、組み込みの世界ではハード担当者とソフト担当者の対立など悲しいお話を聞く事がありますが、このように自分たちの持っていないお互いの良さを認め合うような関係になれれば、改善していけるのではないかと思います。

大変だったけど、なんとかやり遂げた・・・

こうして、色々なことがありながらも、私が担当していたテスト項目は、すべて消化することができました。
あのとき、先輩に相談するのがもう少し遅れていたら、とゾッとします。
今思えば、もっと早くに相談してれば、と思うのですが、当時は自分だけでなんとかしたい!という気持ちが強かったんでしょうね。
やはりこういうときは早めの報告・連絡・相談が大事だと身にしみてわかりました。

最後に、検出した不具合などを報告し、今後の対応をどうするか決めた後、現地を後にしたのです。
最初は不安だったひとり出張、準備が大変だったり当日もトラブルに見舞われ、色々苦労しましたが、結果的には無事成果を上げることができました。ひとりで仕事をやり遂げた、という実感があり、当時の自分にとっては大きな自信になりました。

もちろん、自分だけの力でできたわけではなく、色々サポートしてくれた先輩のおかげでもあります。

次回は私にこの出張を命じてくれた、当時のリーダーについて書いてみたいと思います。この方と出会っていなければ、今の自分はなかったかもしれません。

〜つづく〜