JBUG岡山#3 参加レポート〜プロジェクトマネジメントとは、人と向き合うこと

今回で3回目となるJBUG岡山#3の参加レポートです。

jbug.connpass.com

第1回、第2回に引き続き、岡山大学構内にある岡山大インキュベータでの開催です。

谷山鐘喜さん 新任コミュニティマネージャーの気持ち

ヌーラボのコミュニティマネージャーに就任された谷山さんのお話です。

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これからのJBUGについて、所信表明?をしていただきました。

  • コミュニティは、参加者が仲良く純粋に楽しむこと。
  • 気持ちが乗っているからその気持ちがSNSなどで伝播し、Backlogを使う人が増える。
  • 合言葉は、We are the world.

どんなことであっても、「楽しみながらやる」ことはとても大切ですね。 楽しそうなところには大勢の人が集まってくるし、そこから色々なものが生まれてきます。 「中身は至って真面目だけど、見た目は楽しく!」がコミュニティが長続きするコツなのかもしれないですね。

JBUGリーダーやりたい人大募集だそうです! まだまだJBUG未開催の地域もあるため、どんどん増やしていきたいとのこと。 「岡山はエンジニアコミュニティの運営慣れしている人が多いせいか、自然と助け合って運営する雰囲気ができているので、 そんなに大変ではない」とはあべさんの談。 岡山に限らず情熱のある方はたくさんおられるでしょうから、勇気を持って手を上げれば色々な人が支えてくれるはずです。

阿部信介さん 大きめのエンジニア向けイベントの運営管理をBacklogでやってみた

岡山のエンジニア向けイベント「オープンセミナー岡山2019」の運営をBacklogで行ったときのお話でした。

okayama.open-seminar.org

これまで使っていたサイボウズLiveが運営終了となり、どうしようかと考えていたところ、JBUG岡山の運営のご縁で、ヌーラボ さんからBacklogとTypetalkを提供いただけることになったそうです。

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  • やりたいことはツールのカスタマイズではなく、企画を運営すること。
  • ツールの思想がわかりやすく、乗っかるまでのコストが低い
  • Backlogはカスタマイズ範囲が良い意味で限定されている。
  • イベント運営はゴールを決めれば、あとはタスクのかたまり。

途中、「議事録を課題に書くかWikiに書くか」の議論で盛り上がりました。 結局のところ「議事録とはフロー情報なのか?それともストック情報なのか?」という話になってくると思いますが、 仕事の内容や進め方にもよって違ってくるのかなという気がします。 幅広い方の意見を聞いてみたいテーマだと思いました。

駒田美沙子さん プロジェクトマネジメントで意識していること

次はJBUG大阪の駒田さん。これまで数々のプロジェクトを経験されてこられただけあって、とても真実味があり、 心に刺さるお話でした。

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プロジェクトマネジメントで気をつけているのは以下の4点だそうです。

  • プロジェクトの目的を明確にする
  • 参画メンバーを知り役割分担する。
  • 決定事項は明文化する
  • 懸念事項は放置しない。

プロジェクトの目的が曖昧だと、リリース直前に追加要望が上がりやすく、プロジェクトが混乱してしまいます。 これを防ぐため「目的を明文化する」「プロジェクトの途中で度々ふりかえる」を実践されているそうです。 やはり「大事なことは何度でも繰り返し言う」ことが必要なのですね。 また、メンバーをよく知り「この人はどんなときにやる気を出して、どういうことでモチベーションが下がるのか」をきちんと見極めることが大切なようです。 個人的に印象に残ったのは「誰が実質的な決定権を持つのか把握する」の部分。 決定権を持っているのは必ずしも偉い人というわけではなく「偉い人がよく相談する現場の人」だったりすることも多かったりします。 確かに、実際に業務を回しているのは現場のキーパーソンの方だったりしますので、誰がそういう役割を担っていて、その人がどういう考えをもっているのかを掴んでおくことは大切だと思いました。

個人的には「本当に決定権を持っている人は、自分自身がそれを持っていることに気づいていない」ということがあると思います。 例えば、あるコアな部分のものづくりをしている人とか、お客さんの細かい業務を知ってる人とか。 前川さんのツイートにあるように、その人に気づかせてあげるのもプロジェクトマネージャの役割ではないかと思いました。

あと心に刺さったのは「懸念事項は放置しない」こと。 「まぁ大丈夫と言ってることは大丈夫じゃなくなります。絶対にです!」と力説されていました。私もそのとおりだと思います。 ちょっとした懸念事項を取り上げることは意外と勇気がいりますし、当人は火中の栗を拾うことになりやすいので大変ではありますが、後でもっと大きな問題にならないうちに勇気を持って摘み取らないといけないですね。

他にもBacklogの実践的な使いこなし方法をたくさん紹介していただきました! ウチで実践してることもあるけど、これからもっと紹介していこう。

佐々木大輔さん カルチャービルディング〜世界最強のAWSエンジニア集団の作り方

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次はクラスメソッドの佐々木さんのお話でした。 会社が大きくなっていく過程で、どうやってカルチャーを作り上げていくかというお話でした。 今でこそ「AWSといえばクラスメソッド社」といえるほどの確固たる地位を築き上げていますが、かつては利益が出ず大変苦労されていたそうです。全然知りませんでした。 ここに至るまでの様々な取り組みをお話ししていただき、大変勉強になりました。

いまのように変化の速い時代では、社内のカルチャーをしっかり醸成し共有することが必要、そのためには企業理念を部門の行動指針に落とし込み具体的にどのように行動すればよいのかがわかるようにすることが必要ということがわかりました。

  • 企業におけるカルチャーとは、意識的あるいは無意識的に共有されている価値観や行動規範
  • カルチャーは企業理念さえあればできるものではない。
  • 企業理念なしでなんとなくできたものはただの雰囲気でカルチャーではない。
  • 企業理念を意識しながら過ごし、実体験からブレイクダウンされたものがカルチャーとなる。

会社の理念は現場から見ると腹落ちしないので、わかりやすい言葉で部のビジネスにマッチした理念を作ったそうです。その中身がこちら。

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企業理念はどうしても抽象的でスケールの大きなものになってしまうので、 部門ごとにわかりやすい言葉に定義しなおさなければいけないということですね。

カルチャーを作っていくために必要なことは、

  • 変化に合わせて自らを変革できる。
  • 失敗を恐れず打席に立ち続ける。
  • リスクを恐れずチャレンジしつづける。
  • 学習しつづける。
  • 一緒に協働できる信頼できる仲間がいる。

だそうです。

お話は人事、給与、採用のやり方にも及び、大変壮大で刺激的なお話でした。 これからの課題は、組織の人数が増えていったときのカルチャーの維持だそうですが、乗り越えていけるだけの勢いを感じました。 今後、クラスメソッドさんがどのような会社になっていくのか目が離せませんね。

これからはクラスメソッドさんのような新しい会社だけでなく、従来の歴史の長い会社も生き残るためにはカルチャーの見直しや制度の再構築が求められてくると思いますが、 今回の取り組みはとても参考になるのではないかと思います。

マネジメントのお悩みディスカッション(兼懇親会)

発表が終わったあとはいつもの懇親会です。 今回は、発表会場にそのまま料理を持ち込み、ディスカッションするやり方でした。 お店でやるのと比べ、自由に動き回れるせいか、色々な人とじっくり話し込めた気がします。

「今日は全体的に人とどう向き合うのかのお話が多かったですねー」といったふりかえりを行いました。 ナカミチさんのLTにあった、

Backlogは課題と向き合うツールではなく、人と向き合うツールである。

の言葉に集約されている気がします。

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グループフォト撮影

最後はお決まりの記念撮影。 だんだん、「b」マークの作り方にも慣れてきました。 (以前は「b」を「d」と間違えそうになったましたww)

その他

今回もプロジェクトマネジメントについて多くの学びがあり、大変実りの多い1日でした。 また、色々な地域の色々な方と知り合うことができ、最近気になっていたリモートワークなど、興味深いお話を聞くことができたのも良かったですね。 これからも、よろしくお願いします。

今回のツイートのまとめはこちら。 ツイートが活発なのはJBUG岡山の特徴ですね。参加してない人でも雰囲気伝わるのではないかと思います。 togetter.com

次回私は、JBUG広島でお話しします。 4月13日のJBUG岡山#2でお話しした内容ですが、その後のお話も少し追加しようと思います。 まだまだお席に余裕があるようですので、興味のある方はぜひ。 jbug.connpass.com